居飛車と振り飛車の違いと選び方|自分に合った戦型の見つけ方
りょうさん、[棒銀](02-初心者向けおすすめ戦法棒銀の指し方.html)の話のときに「振り飛車の相手に有効」っておっしゃってましたけど、居飛車と振り飛車って何が違うんですか?
将棋の戦法を大きく2つに分ける、一番基本的な分類なんだ。
どっちを覚えればいいのか迷いそうです…
それぞれ考え方の方向性が全然違うから、今日はその違いを整理して、自分に合う方を見つけるヒントを話すね。
将棋の戦法は数え切れないほどありますが、それらは大きく「居飛車(いびしゃ)」と「振り飛車(ふりびしゃ)」という2つの系統に分類できます。この分類を理解しておくと、戦法の勉強がぐっと整理しやすくなります。
自分は将棋部に入った当初、居飛車を中心に勉強していましたが、道場で振り飛車党の先輩と対局するうちに、その考え方の違いに驚いた記憶があります。この記事では、両者の特徴と、初心者がどちらから始めるべきかを解説します。

居飛車とは
居飛車は、飛車を最初の位置(盤の右側)に置いたまま戦う戦型です。「居」という漢字の通り、飛車がその場に「居る」ことからこの名前がついています。
居飛車の特徴
- 飛車を動かさない分、序盤で他の駒の配置に力を注げる
- 長い将棋の歴史の中で研究され尽くしており、定跡(決まった手順)が非常に豊富
- 相手も居飛車の場合(相居飛車)は、正面からぶつかり合う激しい戦いになりやすい
- 覚えるべき定跡が多く、体系的な勉強が必要になる場面が多い
居飛車は将棋界で最も研究されてきた系統で、プロの対局でも数多く採用されています。その分、定跡書や解説記事も豊富にあるため、体系立てて勉強したい人には向いている一方、最初は覚えることの多さに圧倒されるかもしれません。
振り飛車とは
振り飛車は、飛車を最初の位置から盤の左側へ移動させて戦う戦型です。「振る」という言葉の通り、飛車を横に動かすことからこの名前がついています。移動させる場所によって、さらにいくつかのスタイルに分かれます。
| スタイル | 飛車の位置の目安 |
|---|---|
| 中飛車 | 盤の中央付近 |
| 四間飛車 | 中央よりやや左寄り |
| 三間飛車 | さらに左寄り |
| 向かい飛車 | 相手の飛車がいた側に対抗する位置 |
振り飛車の特徴
- 玉を美濃囲い(みのがこい)などの堅い囲いに収めやすく、守りを固めやすい
- 相手の出方に応じて柔軟に対応しやすく、比較的直感的に指しやすい
- 居飛車ほど広大な定跡を暗記しなくても、方針が立てやすい
- 玉の囲いが完成するまでは、攻められると脆さが出ることもある

「対抗形」と「相居飛車」という呼び方
将棋の本や中継の解説を読んでいると、戦型を指す言葉として次の3つがよく出てきます。居飛車・振り飛車の分類を覚えたら、セットで押さえておくと理解が早くなります。
| 呼び方 | どんな組み合わせか | 戦いの特徴 |
|---|---|---|
| 相居飛車 | 双方が居飛車 | 同じ側でぶつかり、序盤から急戦になりやすい |
| 対抗形 | 一方が居飛車、もう一方が振り飛車 | 攻める側と受ける側が分かれ、じっくりした展開になりやすい |
| 相振り飛車 | 双方が振り飛車 | 盤の左側が主戦場になり、他の2つとは駒組みの感覚が異なる |
初心者のうちに一番多く遭遇するのは「対抗形」です。棒銀が初心者向けとしてよく勧められるのも、この対抗形で狙いがはっきりするからという理由が大きいと思います。
玉の囲い方も系統ごとに変わる
居飛車と振り飛車では、飛車の位置だけでなく玉をどこに囲うかも変わります。飛車と玉は離すのが原則(近づけると1手で両方を狙われるため)なので、飛車を左に振れば玉は右へ、飛車が右に居れば玉は左へ動くのが自然な形です。
| 系統 | 代表的な囲い | 特徴 |
|---|---|---|
| 居飛車 | 矢倉(やぐら) | 上からの攻めに強い。組むのに手数がかかる |
| 居飛車 | 舟囲い(ふながこい) | 少ない手数で組める。横からの攻めには弱め |
| 振り飛車 | 美濃囲い(みのがこい) | 手数が少なく横に強い。振り飛車の基本形 |
| 振り飛車 | 穴熊(あなぐま) | 非常に堅いが、組むのに時間がかかる |
自分が振り飛車を指すときは、ほとんどの場合まず美濃囲いに組みます。手数が少ないわりに堅く、多少攻められても「まだ大丈夫」と落ち着いて考えられるのが大きな利点です。囲いが堅いと、終盤で相手より1手先に攻め合いに勝てる場面が増えるので、初心者ほど囲いの効果を実感しやすいはずです。
居飛車と振り飛車、どちらから始めるべきか
初心者にどちらをすすめるかは意見が分かれるところですが、自分の実感としては、以下のような基準で選ぶのがおすすめです。
| タイプ | 向いている戦型 |
|---|---|
| コツコツ定跡を覚えるのが好きな人 | 居飛車 |
| 直感的に、自分の形を作って戦いたい人 | 振り飛車 |
| 玉の堅い囲いで安心して戦いたい人 | 振り飛車 |
| プロの棋譜を参考にしながら深く研究したい人 | 居飛車 |
自分の経験では、振り飛車は「型」さえ覚えてしまえば方針が立てやすく、初心者が最初につまずきやすい「何をすればいいかわからない」という迷いが少なくなります。一方で居飛車は、覚えることは多いものの、将棋の奥深さや駆け引きをより深く味わえるという魅力があります。
両方を知っておくメリット
自分は現在、対局相手に合わせて居飛車と振り飛車の両方を使い分けています。片方しか知らないと、相手の戦型によっては対応に苦労する場面が出てきます。特に、棒銀のような居飛車側の攻め筋は、振り飛車を指す人にとっても「相手がどう攻めてくるか」を理解するうえで役立ちます。

最初はどちらか一方に絞って基本を身につけ、慣れてきたらもう一方にも挑戦してみる、という順番がバランスよく上達する近道だと感じています。
戦型選びでよくある誤解
道場やネット対局で初心者の方と話していると、戦型選びについて次のような誤解をよく耳にします。
「強い人が使う戦法を選べば勝てる」
トップ棋士の間で流行している戦型は、細かい手順の研究が前提になっていることが多く、形だけ真似ても本来の良さが出ないことがあります。級位者同士の対局では、自分が狙いを説明できる戦法のほうが結果につながりやすいというのが実感です。
「一度決めたら変えてはいけない」
「居飛車党」「振り飛車党」という言葉があるので、最初の選択が一生ものだと感じてしまう人がいますが、そんなことはありません。合わないと思ったら気軽に変えて構いませんし、両方を試したうえで戻ってくる人も珍しくありません。
「囲いは後回しでいい」
攻めのほうが楽しいので、囲いを省略して攻め合いに突入したくなる気持ちはよくわかります。ただ、玉が薄いままだと、格言でいう「玉の早逃げ」も「金なし将棋に受け手なし」も、実感する前に一瞬で終わってしまいます。囲いを1つ覚えるだけで勝率が変わることは多いので、まずは美濃囲いか舟囲いのどちらかを、手順で覚えてしまうことをおすすめします。

まとめ
居飛車は飛車を動かさず正面から戦う、研究の蓄積が豊富な戦型です。振り飛車は飛車を左側に振って柔軟に戦う、玉の堅さを活かせる戦型です。どちらが優れているというものではなく、自分の性格や好みに合わせて選ぶのが一番です。まずはどちらか一方を試してみて、自分に合う戦い方を見つけてみてください。
自分は直感で指したいタイプなので、まず振り飛車から試してみようと思います!
いい選択だと思うよ。慣れてきたら居飛車の考え方も知っておくと、対局の幅がぐっと広がるからね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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