初心者向けおすすめ戦法「棒銀」の指し方|考え方と攻めの流れ
りょうさん、[基本ルール](01-将棋の基本ルールとコマの動かし方.html)は覚えたんですけど、実際にどう攻めればいいのか全然わからなくて…
それなら、まず「棒銀(ぼうぎん)」から覚えるのがおすすめだよ。
棒銀ってどんな戦法なんですか?
名前の通り、銀将を棒のようにまっすぐ進めて攻める戦法なんだ。考え方がシンプルだから、初心者に一番向いていると思う。
将棋の基本ルールを覚えたら、次に知りたくなるのが「実際にどうやって攻めるか」だと思います。将棋部に入って最初に先輩から教わったのが、この記事で紹介する「棒銀」という戦法でした。15年経った今でも、初心者に最初に勧める戦法として棒銀は根強い人気があります。
この記事では、棒銀がどんな考え方に基づいた戦法なのか、基本の狙いと注意点を解説します。

棒銀とはどんな戦法か
棒銀は、銀将を盤のまっすぐ前方へ「棒」のように進め、飛車と協力して相手陣に攻め込む戦法です。将棋には無数の戦法がありますが、棒銀が初心者向けとされる理由は、狙いが非常にシンプルで理解しやすいことにあります。
基本的な考え方は以下の通りです。
- 飛車はそのまま動かさず(居飛車のまま)、自分の陣形の中で銀将を前線へ進める
- 進めた銀将と飛車の2枚で、相手陣の弱点(特に端の方や、守りの薄い場所)を集中的に攻める
- 単純な駒の連携なので、複雑な定跡を暗記しなくても狙いが伝わりやすい
自分が将棋を覚えたての頃、「とにかく銀を前に進めて、飛車と一緒に攻めればいい」という単純明快さに助けられました。複雑な戦法だと、そもそも何を狙っているのかを理解するだけで一苦労ですが、棒銀は目的がはっきりしています。

棒銀の基本的な指し方の流れ
棒銀の基本的な流れは、おおまかに以下のようなステップで進みます。
- 飛車のいる筋の歩を前進させ、飛車が動きやすい状態を作る
- 銀将を、飛車のいる筋または隣の筋にまっすぐ進めていく
- 銀将が前線に到達したら、飛車と連携して相手陣への攻めを開始する
- 相手の駒組みが薄い場所(特に端の方)を狙って突破を図る
具体的な手順は対局の流れによって変わりますが、「銀を一直線に進めて、飛車と合流させる」という基本の型を覚えておくと、実戦での判断がしやすくなります。
銀の進路を符号で追ってみる
言葉だけだとイメージしづらいので、先手番で最もシンプルな形(いわゆる「原始棒銀」)の銀の動きを、将棋の符号で追ってみます。符号の読み方は基本ルールの記事で解説した通り、右上を1一とする筋(数字)と段(漢数字)の組み合わせです。
| 手順 | 指す手 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | ▲2六歩 → ▲2五歩 | 飛車先の歩を2段伸ばし、攻めの道を作る |
| 2 | ▲3八銀 | 右の銀を持ち上げ、前線へ向かう準備をする |
| 3 | ▲2七銀 | 飛車の前へ銀を出す。ここから「棒」の形になる |
| 4 | ▲2六銀 | 銀と飛車が2筋に縦一列に並ぶ |
| 5 | ▲1五銀 または ▲3五銀 | 相手の受け方に応じて、突破口のある側へ寄る |
3手目から5手目にかけて、銀が2七→2六→1五(または3五)とまっすぐ前へ伸びていく形が、「銀を棒のように突き出す」という戦法名の由来です。狙いは、飛車の利きと銀の利きを相手陣の同じ地点に重ね、駒の枚数で上回った場所を突破することにあります。
後手番で指す場合は、筋の数字が左右反転して8筋(▲2六歩が△8四歩、▲3八銀が△7二銀…)になりますが、「飛車先の歩を伸ばし、右の銀を飛車の前に繰り出す」という考え方は同じです。
棒銀にはいくつかの種類がある
「棒銀」とひとくちに言っても、どんな序盤から入るかによっていくつかの型に分かれます。最初にすべて覚える必要はありませんが、名前だけ知っておくと本や動画を探しやすくなります。
| 種類 | どんな形か | 初心者との相性 |
|---|---|---|
| 原始棒銀 | 囲いを省略し、いきなり銀を繰り出す最短の形 | ◎ 狙いが一番わかりやすい |
| 対振り飛車の棒銀 | 相手が飛車を左に振ったのを見てから繰り出す | ○ 玉を囲う時間を取りやすい |
| 相掛かり棒銀 | お互いに飛車先の歩を交換し合う出だしから | △ 展開が早く、判断が難しい |
| 角換わり棒銀 | 序盤で角を交換し合った後に繰り出す | △ 角の打ち込みへの警戒が必要 |
最初は原始棒銀で「攻めの形」そのものに慣れ、勝ったり負けたりを繰り返しながら、少しずつ囲いを入れた形へ移行していくのが自然な順番だと思います。
棒銀が有効な場面
棒銀は特に、相手が「振り飛車(ふりびしゃ)」(飛車を左側に移動させる戦法)を採用しているときに効果を発揮しやすいとされています。振り飛車側は玉の囲いが厚くなる一方、飛車のあった側の守りが手薄になりやすいため、そこを棒銀でまっすぐ攻めることで効率的にプレッシャーをかけられます。
居飛車と振り飛車の違いについては、居飛車と振り飛車の違いと選び方でさらに詳しく解説しています。

棒銀を指すうえでの注意点
棒銀はシンプルで強力な戦法ですが、いくつか注意すべき点もあります。
相手にも銀で受け止められる場合がある
自分が銀を進めたのと同じように、相手も銀将で正面から受け止めてくることがあります。これを「相銀(あいぎん)」と呼ぶこともありますが、こうなると単純な駒の交換になりやすく、狙い通りの攻めにならないことがあります。自分が実戦で苦戦したのも、まさにこのパターンでした。
銀を進めすぎると自陣が薄くなる
攻めに集中するあまり、銀将を前に出しすぎると、自分の陣形の守りが手薄になってしまいます。将棋には「桂馬の高跳び歩の餌食」という格言がありますが、これは桂馬に限らず、駒を先走らせすぎることへの戒めとして広く知られています。攻めと同時に、自陣の安全にも気を配る必要があります。
タイミングを誤ると手損になる
銀を進めるタイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、相手に態勢を整える時間を与えてしまい、こちらの攻めが不発に終わることがあります。銀を進める前に、自分の玉の守り(囲い)がある程度形になっているかを確認する習慣をつけると、安定感が増します。
棒銀を「受ける側」から見ておくと上達が早い
意外に思われるかもしれませんが、棒銀を覚えるときは受ける側の手も一緒に知っておくと上達が早くなります。相手が何を嫌がるかがわかれば、自分が攻めるときにどこを狙えばいいかも見えてくるからです。
受ける側の基本的な考え方は、次の3つに整理できます。
- 銀の進む先に自分の駒の利きを足しておく: 攻め込まれる地点に守りの駒を1枚足すだけで、単純な突破は成立しなくなります
- 端歩を突いて銀の寄り道を防ぐ: 銀が端に回り込んでくる筋があるなら、端の歩を1つ突いておくことで進出を牽制できます
- 攻めてきた銀そのものを狙う: 前に出た銀は退路が狭くなりがちです。歩や桂で当たりをつけて、銀を追い返す・取ってしまう手が成立することもあります
3つ目は、まさに将棋の格言でいう「駒を先走らせすぎない」という戒めの裏返しです。自分も棒銀を覚えたての頃、前に出した銀を歩でパクリと取られて、そこで初めて「攻め駒も狙われる」ということを実感しました。攻める側・受ける側の両方を経験しておくと、この感覚が早く身につきます。
上達のための練習方法
棒銀の形を覚えたら、次は実戦で試すのが一番です。そのうえで、以下のような練習を並行するとより効果的だと感じています。
- 同じ戦法を続けて10局指す: 毎回違う戦法を試すより、同じ形を繰り返したほうが「うまくいく形・いかない形」の差が見えてきます
- 負けた将棋を1局だけ見返す: 攻めが切れた瞬間の1手前に、たいてい原因があります
- 終盤力を並行して鍛える: せっかく攻めが成功しても、寄せられなければ勝てません。詰将棋の解き方で紹介した3手詰めの反復が効きます
まとめ
棒銀は、銀将を前線に進めて飛車と連携させるという、非常に理解しやすい攻めの戦法です。特に振り飛車の相手に対して有効に働きやすく、初心者が「攻めの形」を体で覚える最初の一歩として最適です。まずはこの単純な型を実戦で試しながら、駒の連携がもたらす攻めの感覚をつかんでみてください。
「銀を前に進めて飛車と合流させる」、これならイメージしやすいです!次の対局で試してみます。
シンプルだけど、狙いがはっきりしているのが棒銀の良さだからね。まずは自陣の安全にも気をつけながら、攻めの感覚をつかんでいこう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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